石の種類について。
現在墓石に使用されている石材のほとんどが御影石(花崗岩)で、その8割以上が輸入材であり、その種類は何百種にも及びます。
同じ御影石でも高度がそれぞれ異なっており、一般的には硬い石ほど光沢を出すのに手間が掛かりますが、一旦磨き上げるとその石のツヤは長持ちします。高度の低い石はその逆になります。また水を吸いやすい石と吸いにくい石がありますが、寒冷地などでは水を吸った石が凍って割れてしまうことがありますので避けた方がよいでしょう。
では、高度が最も高くて水を吸わない石が高いのかというと必ずしもそうではありません。石は天然素材のため、人気があって生産量の少ない石ほど希少価値がついて高額になります。従って石質が悪いから安いとか、良いから高いとは一概には言えません。
これらの石の特徴は一般の方には非常に解りにくく、そのことからブローカーやにわか石材店が入り込むチャンスがあり特売品(低品質)が出回ってしまうのです。くれぐれも信頼できる石材店で購入されることをお勧めします。
石の色について。
一般的には関東以西は白系統、以北は黒系統で建てられることが多いですが、これはその昔、地元で産出された石の色に起因しています。
黒御影はよくないなどという話を聞くことがありますが、仏教の基本色は「赤青黄白黒」の五色です。この色のどれ一つとして欠けても極楽浄土はできないと阿弥陀経にも書かれています。従って黒御影はいけない、赤はいけない等という根拠はまったくありません。
ちなみに黒系統の石がたくさん出た東北地方では、建立されている墓石の65%以上が黒御影の墓石です。地域によっては99%が黒御影石というところまでありますし、また関西方面はまったくその逆だったりします。

墓石の形について。
現在建立されている墓石は、大きく分けると「三段型の和型」と「オルガン型の洋型」に分類されます。
三段型の墓石は、江戸時代中期頃より一般庶民が建てるようになったお墓の形です。その原型は「五輪塔」とも言われていますし、位牌を象ったものとも言われています。当初は仏塔として、人が亡くなると一人一基ずつ建立されましたが、家制度の導入とともに「家墓」「代々墓」となり、仏塔としてのお墓は形骸化し、その形だけが今日まで継承されています。
洋型墓石は、仏塔としてのお墓が完全に形骸化した昭和40年初等に出現し、あっという間に全国に普及していきました。そして今日では家制度が崩壊し、核家族化・少子化が進み、お墓も「家族墓」「夫婦墓」「両家墓」「個人墓」「永代供養墓」など急速に多様化し、墓石の形も人によってニーズによって様々になってきました。
特に近年は自分好みの自分らしいお墓づくりをされる方が急増し、洋型墓石はデザインを競う時代に入り、個性的でデザイン的にも素敵なお墓がたくさん目につくようになってきました。
このにも一般的な墓石として五輪塔があります。
平安時代中期頃にできた仏の姿を表し、森羅万象を象った伝統的な供養塔です。お釈迦様の遺骨が納められた塔を原形として、古来インドの地水火風空の五大(要素)思想に基づいて作られたもので、報恩供養を願って建立される代表的な供養塔です。
こういう形はいけないとか、宗教を無視した新型墓石はいけないなどと言われる先生が居られるようですが、お墓の原点はネアンデルタール人が花を手向けたその心です。お墓そのものの形ではなく心が大切なのです。
どんな形の墓石で建てられるかは、作られる方の自由であるべきなのです。
墓石の大きさについて。
墓石の大きさによっての良し悪しなどはまったくありません。
大切なことは死者への供養の心を込めて作られたのかということです。
ご予算に応じてお作りになられたら良いと思いますが、ひとつだけ申し上げるとすれば、この世の住まいは建築後に増改築や引っ越しもできますが、お墓は100年の買い物です。後々のことを考えて、少し奮発したお墓づくりもご検討されてはいかがでしょう。
墓石に刻む文字について。
墓石に文字を刻むようになったのは、平安時代の終わり頃と言われています。
当初は経文や梵字を彫り込みましたが、室町時代に入って仏の種子、仏像、名号、題目などが彫られるようになり、仏塔としての性格が顕著になりました。
江戸時代に入って庶民が建立するようになった三段型の墓石は、当初仏塔として亡くなった方のために一人一基ずつ建立され、棹石の正面頭部に宗派によって仏を表す「円」、大日如来を表す梵字などを入れ、その下に「南無阿弥陀仏」「妙法蓮華経」「南無釈迦牟尼仏」などの題目を彫り、側面に仏弟子となった個人の戒名・法名を記しました。
明治時代に入ると仏を表す円や名号や題目が欠落し、家紋や個人俗名が刻まれるようになり、仏教的な意義付けが次第に薄れていきました。
大正から昭和にかけて民法に家制度が導入されると、仏塔として個人墓だった墓石は家墓・先祖代々墓となり、仏弟子の証として刻まれた戒名も墓誌(法名碑)に記されるようになり、仏塔としての墓石は完全に形骸化し、墓石に刻む文字への制約もなくなっていきました。
家制度が崩壊して核家族化・少子化が進んでいる今日では、お墓も「家族墓」「夫婦墓」「両家墓」「個人墓」「永代供養墓」などのように急速に多様化し、それに伴って墓石に刻まれる文字も思い思いの好きな言葉や文字が刻まれるようになっています。
墓石を建てる時期について。
墓石を建てる時期に特別な決まり(法的な)はありません。
大切なのは供養の心です…思い立ったが吉日で良いと思います。
一般的には四十九日・百ヶ日・月忌・一周忌・三回忌などの法要を営むときに納骨されることが多いようです。
生前墓(寿陵墓)の考え方。
お墓を建てることは仏事です。仏教では生前に仏事をおこなうことを「逆修」といって、とても功徳の高い善行であると説いています。
事実、「灌項経」や「地蔵本願経」というお経の中でお釈迦様は「生前に死後の仏事を修めておくと、その幸せは無量で計り知れない」と説いておられます。
中国でも寿陵は長寿を願うめでたい墓として、秦の始皇帝をはじめ歴代の皇帝が作っています(日本では聖徳太子が作られています)。
従って生前墓がいけないという根拠は無いと考えるのが自然でしょう。
墓石の方角について。
お墓は当初、仏塔として建てられていたものです。そのことから考えると、仏教では六方拝といって東西南北上下六方をいずれも尊び、吉凶の別は問わないとしています。
また、仏は八方世界あまねく照らすという言葉もあります。その仏様があちらの方角はダメ、こちらの方角はダメと言われるでしょうか?供養するのに相応しい場所であれば方角は関係ないでしょう。
墓地が北向きでどうしても気になるというのであれば、五輪塔(五輪塔は四方が正面ですので)をお建てになられたらいかがでしょうか。
ニューデザイン墓石について。
江戸時代から継承されてきた規格型三段墓石に対し、現代人にマッチした祈りの造形として作られる新しい形の墓石のことを総称して「ニューデザイン墓石」と呼ばれており、近年急速に普及してきています。
欧米では昔からひとつひとつ形の異なるお墓を建ててきましたが、日本ではどんなに個性的な生き方をされた方でも、亡くなれば画一的な没個性の規格型のお墓に祀られてきました。
その背景にあったものは、仏塔としてのお墓という事情もあったわけですが、その意識が次第に薄れ形骸化したことに加え、死者の供養塔としてのお墓、家族の死後の住まいとしてのお墓、この世に生きた証としてのお墓といったように求めるお墓が多様化したことによって、想いを込めた個性的なお墓づくりがなされる時代になったようです。
当社お墓アドバイザーが、みなさまのお墓に関するご相談に誠意を持ってお応えいたします。どんな些細なことでもお気軽にご相談ください(ご相談は無料でお受けしております。また、当社より営業のお電話は一切おこないませんので、お気軽にご相談くださいませ)。
※本コンテンツの内容は、全優石発行の「正しいお墓の買い方」読本より一部抜粋・引用しております。